2008年11月12日水曜日

世界のとらえ方

オブジェクト指向に限らず、システム分析の重大な関心事項の1つは対象とする世界(ドメインということが多い)をどうとらえ、どう表現するかということだ。分析の主眼が現状認識であることから、認識したものをシステム的な表現に落とし込むことが主たる作業となる。

対象とするものは複雑なものであったり、変動するものであったり、出来事や関係だったりする。よってそれを理解し管理しやすい塊へと分解してゆくことが求められる。そして、分解の仕方は、「それらをどう取り扱うのか」というシステム目的によって恣意的に変化し、大まかな捉え方から精密なものまで種々のくくり方ができる。

こうしてくくりだした事象をシステム的に表現する場合、塊(事象の枠組み)に対して名称を与え、その事象が持っている属性(プロフィール)を設定することになる。

プロフィールの記述には、「記述可能」特性を使用する。
「記述可能」とは、数値、文字、日付のような、何らかの文字や記号で記録し、他者とコミュニケーション可能なものという意味で用いる。また、記述可能特性には、「比較性」を持つものと持たないものがある。

「比較性」とは、~より大きい小さい、~より長い短い、~より広い狭い、など等号・不等号の関係でとらえることができるものである。言い換えれば数値に換算できるものと言ってもよい。比較可能でないものとしては、たとえば、「名前」や「国籍」などの同じだとか一部が似ているだとかの評価はできるが、不等式での評価ができないものをあげることが出来る。

「記述可能」でない特性としては、音楽や絵画などの時空間との関連でしか意味を持たないものなどがある。

たとえば、対象とする世界を乗り物と考え、子供が使う三輪車と、多くの乗客を乗せるジャンボジェット機を取り上げてみる。この2つのものは具体的なものとして存在し、触れることができるし、それぞれの機能性を持っている。

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